会長のことば

「春の芽吹きが、あらゆるものを胎動させ、整調し、躍進を生み、現在そして未来を光輝に包みこんでゆく、そんな新しい日本の、撮影車輛のはじまりに向けて、」

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新緑の候、皆さま方におかれましては、ご健勝のこととお喜び申し上げます。

さて、「三日見ぬ間の桜かな」とは、世の移ろいの像さを詠ったものですが、「平成」の30年が終わり、新しい元号に生まれ変わろうとしている今、平成の終盤に生まれた私たちの「日本撮影車輛協会」には、時を超えて、花を咲かせ続ける強い根と幹を持つ大樹に成長していってほしいと思うところです。それには、会員の皆さまをはじめとした関係各位のご協力が欠かせませんので、今後とも宜しくお願いいたします。

新しい天皇陛下が即位なされ、新しい時代が幕を上げようとしています。 ロケを中心とした撮影の現場における車輛に求められる「安全と安心」の確保のために手前どもが担っていかなくてはならないこともまた、新しいステージに向かっていくことになります。

それは、ロケ現場における便利な運び屋から、撮影全般にかかわるロジステック機能をもったトランスポーターヘの変身、と言ったところでしょうか。もちろん、言葉が、カタカナになることが、進歩や進化ではありません。物事はとどまることがないということ、変化していくことを恐れないこと、そのことを理解した上で、明るい幸せな未来を信じることが、この「はじまり」の時には大切なのです。

「働き方改革」がはじまりました。撮影現場は、各パートのスタッフがその道のプロとしての衿持をもって作品、番組作りにまい進していて、「働き方改革」とは馴染みにくい世界と言えると思います。しかし、守っていかなくてはならない法律が改正され、働き方を見直し変えていかなくてはなりません。「働き方改革」は変わっていくことを求めていますが、それは、撮影現場を縛り付けるものではなく、私たちが働く「現場」に今まで以上の、現場で働くことの喜びと幸せをもたらすものになるはずです。働くことの喜びがあってこその「現場」であり、「働き方改革」なのですから。

撮影車輛においては、常に「安全」が優先されます。バスの運賃が上がったのも、ドライバーが休息、交替するのも「安全」のためです。「安全」にはそれに見合ったコストがかかります。それは、バスもトラックも同じです。バスほど運賃などに法律の厳しい適用はありませんが、トラックもバスと同じように厳しく法律の適用を受けます。適正な運賃、適正な運行時間等、バスと変わらない法律が適用されていることを広く知っていただき、現場における「働き方改革」と合わせて、運賃等の改正に結び付けていきたいと考えています。

また、バスの運賃改定以降、「安全」のコストを考慮しないロケ車輛の先祖がえりといえるような現象もまま見られるようですが、事業用自動車の運行許可を得て、なにより「安全」を第 一に運行を行っている「日本撮影車輛協会」の所属車輛こそが、 多少のコストは掛かっても、安心してご利用いただける撮影車輛であり、現場を安全に安心して運営していくのに欠かせない存在であることを、今後もご理解いただ<努力を続けていきたいと思います。

Alと自動運転に変わって行くかもしれない撮影車輛業界ですが、「安全と安心」の担保に、熟練のドライバーの存在はかかせません。「現場」の要望に応え、楽しく喜びに満ちた「現場」をスタッフと一緒に築き上げていく一助たるドライバーとともに、その現場をバックアップしていく撮影車輛会社も「働き方改革」を効率よく生かしていくために、制作会社、関係スタッフの皆さまと共に歩んでいきたいと思っておりますので、日本撮影車輛協会ともども今後ともご指導ご鞭撻よろしくお願いいたします。

 

 

 

2019年4月吉日 社)日本撮影車輛協会 会長 杉山直也